タイムトラベルもの


 私はタイムトラベルものが好きです。
クロノアイズ」や「TPぼん」という歴史に絡むものも面白いのですが、数日間の移動で小市民的に右往左往するのが私は非常に好きです。数日程度のスパンで行き来すると、伏線やパラドックスが発生しやすく、非常に楽しめます。作品としては「タイムリープ」がストライクでした。


 ところでアニメ「時をかける少女」で使用する「タイムリープ」の名称はなんとかならないものでしょうか?
 そもそも、「タイムリープ」の作中では、肉体も移動するタイムトラベルとの差別化のため、精神だけの時間移動を「タイムリープ」と名付けています。命名の事情を知らずに流用されては、その配慮が全く意味をなしません。
時をかける少女」でこの名称が使われているのは――「タイムトラベルって呼び名は古くないか?」「タイムリープって本があるらしいぞ」「じゃあ、それでいくか」――そんな感じで、原作を知らない人間が適当に流用したんじゃないかと邪推しています。だって、原作の読者ならば絶対にそのような扱いをしないはずですから。 


ネギま」を見て思ったのですが、赤松先生は時間移動における物語構築が苦手なのでしょう。
 タイムトラベルのお約束として、現在の自分が未来の自分と遭遇するというものがあります。或いは遭遇を避けるために四苦八苦するとか。
ネギま」でビックリしたのは、過去の自分と遭遇する場面しか登場しなかったこと。現在の自分が未来の自分と遭遇する場面は省略され、過去の自分と遭遇することはその瞬間まで「全員が忘れていた」という凄まじさ。
 タイムトラベルを扱った物語で、こんな展開を見たのは生まれて初めてです。


 伏線の制約が大きいし、物語の構築が難しいタイムトラベル物は、週刊連載には――というよりもシリーズものに組み込むのが難しいのだと思います。
 しかし、「ハルヒ」では宇宙人や超能力者がレギュラーにいるため、物語をタイムトラベルに縛られることが無く、それでいて新作を期待できるという状況にあります。私はこれからもタイムトラベルの新作を期待させてもらいたいと思います。


 その昔、ジョジョ第4部で、仗助は幼い頃に助けてくれた相手の髪型をまねているという設定があり、その恩人は絶対に未来の仗助本人だと私は期待していたのですが、そのままスルーされてしまいガッカリでした。なんでも荒木先生はそのエピソード自体を忘れていたらしいですが……(泣)。