仕事人マンガ


 先週の「絶望先生」で、学校に持ち込んだ微妙なマンガが局所的に流行るというネタがありましたが、その実例としてあげられたのが「闇狩人」でした。ちょうど読み返していたのと、懐かしかったことから取り上げてみます。
 恨みを晴らすために罠に引っかけて、社会的に抹殺したり、金を巻き上げるという話はよく見かけますが、実際に殺すというマンガは少ないのではないでしょうか? まあ、私が読むのは少年マンガがメインなので、青年誌にはそれなりにあるのかも。


「闇狩人」
 月刊少年ジャンプに連載していたマンガです。
 マンガ家を目指す高校生にして凄腕の闇狩人(いわゆる仕事人)である間武士が主人公。
 改めて思ったのですが、いかにもマンガ的というか、マンガ家が作りそうな設定です。ちなみに武器は丸ペンと定規(先端を研いで刀のようにしたもの)。
 他にも闇狩人は登場しますが仕事の都合で手を組むだけで、チームとして動いていません。基本的に一匹狼なのは好印象です。
 闇狩人たちの武器はちょっとばかり無理があるし、キャラ的にもマンガ的な強調が強いのですが、物語そのものはオーソドックスでツッコんだりせずに読めると思います。
 この作品で一番印象深いのが、次のネタでした。
 ブレスレットに鋼線を結びつけてチャクラムの様に使用する敵が登場します。投じられたブレスレットを弾いただけでは距離を詰める前に攻撃を受ける。ワイヤーのみを切断しても、ブレスレットはそのまま当たる。という、2つの条件下において、間武士はワイヤーを切ると同時に返す定規でブレスレットを弾きました。これを成し遂げたのが所謂「燕返し」。剣先が早いとか意表をつくだけでなく、これほど効果的――剣を振るう2手にそれぞれ意味を持たせたのを見るのは初めてでした。
 私はこのシーンだけで「闇狩人」が印象深いものとなっています。


「ブラック・エンジェルズ」
 こちらは週刊少年ジャンプに連載していたマンガです。
 作者が平松伸二というだけで作風はイメージできることでしょう。被害者が女性だったりしたら、痛ましいことこのうえなし。
 主人公はロードレーサーで旅をしている青年・雪藤洋士。通常は眼鏡をかけたお人好しだが、仕事の時だけ眼鏡をはずします。
 仕事人モノとして話題に取り上げたのですが、思い返してみると頼み料はもらってはいないはずなので、非常に微妙です。依頼料がないと、主人公の個人的感情で殺しているだけなんですよね。……そうは言っても、この作中に登場する悪党はどいつもこいつも殺したくなるヤツばっかりですが。
 雪藤の武器は自転車のスポーク。日常的に存在するものとしては、非常に素晴らしいチョイスだと思います。L字の部分を人差し指に引っかけて反対側の先端で標的の延髄や額を刺し殺すわけですが、本来その部分にはねじ山が切っているし先端は平らなので、尖らせるためには手を加えているんですよね。
 作品は中盤から異能力戦となっていき、後半においては完全に超能力戦となってしまいます。今回取り上げた経緯からしても、私は前半の方が好みです。
 雪藤洋士はスーパージャンプ誌上の「マーダーライセンス牙ブラックエンジェルズ」という作品でレギュラー化していました。作中で雪藤が指四の字をかけた時にはビックリしました。詳しく知りたい方は「リッキー台風」をご覧ください。


 ちょっと話を戻します。
 私も学校にマンガを持ち込んで友人に見せたことがあります。ちなみにタイトルは「デビルマン」とか「魔獣戦線」とか(笑)。