百花繚乱サムライガールズ
歴史上の人物を美少女化するという、よくあるネタ作品のひとつ。……そんな作品でしたね。
ありがちな設定や内容に終始していて、魅力に欠けた作品だと思います。
主人公に強い剣士設定を与えておきながら、本人の活躍はほとんどないし、女性陣の積極攻勢にうろたえてばかり。兼続相手に無抵抗でやられた場面などは、幸村や千に「かばってもらうため」の舞台づくりにしか見えず、うんざりしました。
行方不明者が多数発生しているというのに、事件の扱いが非常にぞんざいです。
国全体の危機というわりには、舞台は学園という閉ざされた世界ですし。
登場キャラが魅力的とも言えず、熱心に視聴する作品とはなりませんでした。
第一話のプロローグで見た異国との戦争をイメージしただけに、物足りないという印象につながりました。
そうそう。お手軽に又兵衛や半蔵と契約しなかったのは、一応プラス評価となり得ると思います。これ以降の展開は知りませんけど。
この作品で深い印象を残したのは、時折画面を飾るあの墨痕です。
局部を隠すための修正として、あるいは、戦闘中に舞う血しぶきの演出として。作品を象徴する際だった個性と言えるでしょう。
空中を駆ける時に、足場として出現するのも面白かったですね。
物語そのものにはつながらず、あくまでも視覚的な効果にすぎませんが……。
最後になりますが、他作品に登場する「柳生義仙」について。
私がこの名を知ったのは、隆慶一郎の『かくれさと苦界行』でした。
冷酷無情な悪役として登場したのですが、主人公との対決に敗れた後の成長がすばらしく、この作品で一番魅力的な存在だと感じました。