冬アニメに関して

不作でしたねぇ……。
内容に触れているので、未視聴の方はネタバレを覚悟してください。


テガミバチ
周囲の偏見や誤解を乗り越えて、まっすぐな夢を持つ主人公が、特殊な能力で活躍する。……陳腐なだけでなく、魅力も感じられませんでした。
真意を明らかにするという力を活かすために、誤解や偏見を受けている人は善人で、評価の高い人や親切な人間は悪人と、話の展開が固定されているのも単調な原因だと思います。


おおかみかくし
原作ゲームの存在すら知らなかったこの作品ですが、アニメのデキは物足りないものでした。原案が竜騎士07ということで期待しすぎたのかも。
舞台設定もあって、「ひぐらし」と比較してしまい、類似点が気になりました。
日常描写が少ないこともあり、「ひぐらし」ほどにキャラへ感情移入することもできませんでしたし。
それと、主人公本人の特性が消えていない以上、村人達はこれからも苦しめられるわけだから、引っ越しした方がお互いのためでは?


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
現地に残された伝説。修理中の強力な兵器。様々な過去を持つキャラ。
正直なところ、ありがちな設定やエピソードばかりでした。ほとんどの回が流し見に近かったと思います。
しかし……。
独創性の少ない物語であっても、それを貫徹して最後まで組み終えたなら、きちんとした形を組み上げるのでしょう。
振り返ってみると、今期のアニメで一番気に入った最終回となりました。現状と伝説の類似性には、なんの関連性もないというのに、なぜかちゃんと盛り上がってました。
萌えキャラ&軍事兵器で、いかにもオタク向けな感じがして第一印象は悪かったんですけどね。


デュラララ!!
面白かったです。OPが「バッカーノ」風だと感じていたら、原作者が同じだったとは。
序盤は起伏に乏しく、散漫な印象を受けるのですが、進展するとずいぶん印象が変わりました。
登場キャラが多いのに個性がしっかりしており、それぞれのつながりが判明し、物語が収斂していきます。
この原作者は本当に上手いんだなぁと実感します。
現代に出現したデュラハンという設定だけでも十分そうなのに、作中におけるセルティは「主要人物の一人」に過ぎないんですよね。
ファンタジー的なバックボーンを持たないものの、セルティに負けない個性を持つキャラ達が物語を引っ張っていきました。


最後に一つ。
整形前だとわかりやすくするためにも、髪型や髪の色ぐらいは変えておくべきでは? 整形の前後で区別がつきませんでした。
首の傷は偽装のためにわざと付けたんですかね?


とある科学の超電磁砲
全般的な傾向として、合理性や規則を無視して感情論を優先するあたりに不満を感じます。
とくに、「春上を疑った」ことにこだわる初春の主張が受けつけられません。春上が巻き込まれている可能性もあるのだから、真相の究明はすべきでしょう。
禁書目録』では美琴が一番魅力的だと思うのですが、今作では自分の力に驕って無茶な行動を取りがちで、魅力半減でした。
シリーズ後半になって敵らしい敵が登場しなかったことから、テレスティーナが怪しいとにらんでいたら、やっぱりでした。アニメオリジナルキャラだったようですね。


最終回について。
表面上は盛り上げていたものの、行動原理に怪しい点が多々ありました。
「レールガンの射程は50m」という弱点を提示しながら、勝敗を決める要素にまったく絡まなかったのには驚きです。
また、道路上での決着後、敵ボスを放置したままだったので、「ラストで逆襲される」のがバレバレでした。あそこで拘束しておけば、実験も中断させられるだろうから、放っておくというはあり得ない判断だと思います。