夏アニメで面白かった作品

だいぶ時期遅れとは思いますが、一応書いておきます。


化物語


デキがよかったですね。
これほど作画が安定しており、凝った演出でアニメ化されるなら、原作者としても本望ではないでしょうか。私は原作を知りませんけど。
会話主体の場合、安易な制作会社なら、なんの動きもないまま延々と話し続けるという、手抜きを行いそうで非常に怖いです。
今作では表現方法を工夫したり、意欲的な演出を試みて、非常に素晴らしかったです。
京都アニメーションと同じく、会話シーンを飽きさせない絵作りのできる制作会社は貴重ですね。
(『エンドレスエイト』については私も否定派ですが、演出を変えるだけで8話構成なんて無茶できるのは、地力があればこそでしょう)


化け物退治モノなんて、アニメ的なオリジナルエピソードが挿入し易い設定なだけに、粗製濫造されずに済んだのは、原作ファン・アニメファンともに幸運だったと思います。


ひたぎはどれほどキャラが立っていても、化け物退治には介入する力を持ちません。どうやって話を結ぶのか興味があったのですが、いい最終回だったと思います。
つばさのエピソードが中途半端だったのは物足りなかったですが。
ひょっとして原作もあんな調子だったのでしょうか?


>真・マジンガーZ


いや〜、面白い!
ロボットアニメの金字塔たる『マジンガーZ』ですから、リメイクする以上はなんらかの+αはどうしても必要だと思います。
初代搭乗型ロボットとして質実剛健な無変形にこだわる気持ちもわかるのですが、ビッグバンパンチは見事だと感じました。
片腕に変形するというのは新機軸だと思いますし、戦闘機のような格好よさではなく無骨さをつきつめたデザインは、十分に許容範囲だと思います。むしろ、これ以外あり得ないというぐらいにハマってます。
これまでは最強武器だったブレストファイヤーに比べても、有名度ではロケットパンチの方が上だと思います。それなのに、マジンガーZ以外で見かけることはまずありません。
それを考えると、マジンガーZを代表するにふさわしい武器と言ってもいいのでは?
また、小技のような扱いだった光子力ビームは動力源たる光子力を用いた武器なので、ほぼ最強として扱われましたのも納得できます。
それらのアレンジは、マジンガー世界にふさわしいものだったと私は思いました。


バイオレンスジャックデビルマンの作中で登場した構図や演出が見られて、非常に楽しめました。
さすが、今川監督。『ジャイアントロボ』的なテイストで非常に堪能させてもらいました。


一人目の幹部であるあしゅら男爵は、ブロッケン伯爵の踏み台になって終わりかと心配していたら、意外なほどに大活躍でびっくりでした。
一方で、ブロッケンは登場時とくらべてギャグ方面に転落して、これまたびっくりです。
原作におけるピグマン子爵の扱いはまるで覚えていませんが、今作では非常に輝いていましたね。本体はなぜかヘタレでしたが。


しかし、この作品はあくまでも亜流。
この後、『マジンガーZ』を題材とした作品が出た場合、原作に添った話となるでしょうから、きっとこの作品が元ネタにされる事はないのでしょう。
後発作品がどれほど頑張っても原作には及ばないだろうし、それでいいのだろうとも思います。


ただし、いくつか問題点もありました。
たまに作画が劣化すること。落差が大きいため、よけいに残念感が漂います。
それと、演出を盛り上げようとするばかりに、物語に不整合を感じることがありました。
たとえば、マジンガーZの存在を知ってドクターヘルは幾度となく驚いていますが、実際はマジンガーZとほぼ同等の力を持つエネルガーZを所有しているのだから、ありえない反応でしょう。
また、ドクターヘルが「私を殺せば後悔するぞ」と繰り返していますが、ミケーネを復活させる鍵となったあしゅら男爵をたびたび生き返らせた元凶はドクターヘルです。
少なくともローレライ編で死なせておけば、ミケーネ復活は起きなかったわけですしね。


なにはともあれ、グレート編の放映を楽しみに待ちたいと思います。