夏アニメでいまひとつだと感じた作品


今期は、作りが丁寧でも、面白みに欠けた作品が多かったと思います。


亡念のザムド


作画も良かったし、演出も丁寧だし、声優の演技も良かったので、質の高いアニメだったとは思います。
しかし、平和だった島がいきなり戦場になったり、敵の本拠地へいきなり攻め込めたりと、恒常的に戦争を行っている割には脇の甘い世界観なので、ご都合主義を強く感じました。
また、戦争そのものの流れや、テシク氏族が差別されている理由や、ルイコン教の目的や行動など、基本設定がわからないまま見ていたので、面白さも半減となりました。
終盤で証された内容は基本設定とも言うべきもので、謎解きとしての面白さや意外性に欠け、結果として作品構成のミスではないかと思います。
国際郵便船の設定がほとんど活かされませんでしたね。
あと、アキユキは根本的に自業自得だと思います。
規則を破ってナズナをバスに乗せたりしなければ、バスという狭い空間で事件は起きなかったし、同じ学校の生徒が被害者となる可能性も減っていたでしょう。


バスカッシュ


絵や動きは良かったんですが、行動が行き当たりばったりすぎて、いまひとつでした。


>東京マグニチュード8.0


コンセプトからきつそうだなぁと感じて、ずっと見ていなかった作品です。『ぼくらの』の時と同じですね。
冒頭におけるヒロインの言動が腹立たしく感じました。協調性がなくてわがままばかり。
作中で成長させるために初期値が低いのでしょうけど、それでもイライラしました。
作品としてはすごく丁寧な作りなので、余計にリアリティが強く、アニメの良さを感じられる作品とは言えませんでした。
しかし、アニメでなかったなら見なかったでしょう。


大正野球娘。


フルメタ』の相良宗介の台詞で「そんなに弱い連中が勝つのが面白いのか?」というのがありました。この作品はまさにそれ。
実に王道的な作品でした。
そつなくまとめられており楽しめたのですが、突出したものがなかった感じです。
これは原作小説の手柄なのでしょうけど、舞台設定がうまいですね。
高校を舞台としたスポーツマンガなどでは、選手の凄さを演出するためにプロ並のテクニックや戦術が登場しがちです。
その点、大正を舞台にしておけば、技術水準が低くルール整備も粗そうなので、現代における常識が革新的な戦術として組み込みやすいでしょう。
また、女性が侮られるという設定と、男女の真剣な試合が成立するという、相反する条件を両立させるアバウトさも許容しそうですし。


>咲


いかにも萌え重視な作品でしたが、盛り上げどころはきっちりと盛り上がりましたし、楽しめる作品となりました。
考えてみると、麻雀における4強の激突というのは、演出や構成が難しいですね。
これが『アカギ』ならば、実質1対1なので単純に勝ち負けが成立するのに、残りの二人に見せ場を振り分けるのは非常に難しいと思います。
原作マンガに追いついたようですが、タイミングがよかったのかひとつのシリーズとしてうまくまとめられてました。
全国大会は『リンかけ』みたいな超人バトルになりそうですが、まあ、楽しめればいいんじゃないでしょうか。


狼と香辛料


面白いし作画も高値安定ですが、シリーズ的な盛り上がりに欠けますよね。
ライトノベル原作の弊害と言うべきか。
強制終了というかぶつ切りになってしまい、『シリーズ最終話!』として見ると非常にものたりない話でした。
特にエーブ・ボランのエピソードは、商売としての逆転が発生せず、場当たり的なケンカに突入し、負けたけど相手に情けをかけてもらっただけ。
これでは、爽快感とはほど遠いです。