「よつばと!」8巻を購入した件


 私は「あずまんが大王」が好きでした。
 そのため、最初に「よつばと!」(の初期のどれか)を読んだ時には、もっさりしていて物足りなく感じました。
 今思い返すと、「よつばと!」なめんなって感じです。


 読んで面白かったり、唸らされたり、驚かされる作品というのが、多く……はありませんが、時々見かけます。
 そんな中で、私が読んでいて幸せな気持ちになれるのは、「よつばと!」だけです。
 元気で好奇心旺盛で人見知りせずちょっとだけ怖がりな、よつばの日常生活が楽しくて楽しくて。
 よつばの人徳ともいえますが、関わる人々がまた温かくて優しいです。
 小学校入学前の子供視点という事もあり、先行きの不安もなく、時間に追われたりせず、人間関係に悩まされない。そんな夢のような生活(笑)。
 昔に戻りたいという話を別にしても、こんな子供時代だったらなぁと羨ましくなります。


 よつばに対するとーちゃんの態度も好きです。
 よつばが問題を起こしても事情を詳しく聞くし、よつばの勘違いを無理矢理直させるような事もしません。
 叱る時は叱るけど、害がない時は一緒にボケてますからね。
 好きなのは、こんなシーン。
●よつばがつくつくぼうしの正体を知った時。
「つくつくぼうしってあれだろ? 今、よつばがしているかっこの」
「ちがうの! ちがったの! セミなの! ないてた!」
 と、最初の間違いを信じるスタンスで通しました。
●とーちゃんが牧場に行くと発案した時。
「ぼくじょうって、うしがいて……うしがいるところ!?」
「そうだ。牛がいて牛がいるところだ」
 と、変な言い回しをそのまま使用しました。


 あとは、よつばと唯一もめ事を起しているやんだも楽しいキャラです。
 とーちゃんの後輩でありながら、大人げなくよつばと同レベルのケンカをする天敵みたいな役回り。
 ところが、とーちゃんやジャンボには頭が上がらず、牧場話でのあしらわれっぷりが素晴らしかった(笑)。


あずまんが大王」では気づかなかったんですが、あずま先生って、絵が上手かったんですね。
 大ゴマなんかの背景が、上手く簡略化されて適度に描き込まれています。
 キャラも背景もきっちりとしていて、意図的な誇張がない限り歪みがありません。
 正直なところ、こんなに上手いとは思ってませんでした。


 あ、今回買った8巻ですが、文化祭とかお祭りが載っていて楽しかったですよ。
 思わず既刊も読み返してしまいました。
 長編マンガと違って内容を忘れやすいためか、一話完結のマンガには新鮮な面白さがあってお得だと思います。