ひぐらしSS「岸辺露伴は動かない-雛見沢-」が面白かった件


 原作であれば、岸部露伴が本当に「動かない」わけですが、こちらでは大活躍しています。
 セリフの前に名前を書いている台本形式なので、気にする方もいそうですが、私はまったく気にしません。面白ければ勝ちだと思います。


罪滅し編」最終TIPSでの雛見沢封鎖修了後を舞台として始まります。
 ネット情報に興味を持ち、興宮で取材中を行っていた露伴は、同じく調査中だった大石と赤坂に遭遇します。
 てっきり、過去の事件の謎解きで修了すると思ったのですが、舞台は昭和58年当時へと移動しました。


 部活メンバーを相手に、ガチンコで負かしにいく露伴が、らしいというか、なんというか(笑)。
 未来の大石たちや羽入から情報を入手していることで、露伴が非常に大きなアドバンテージを持っており、ミステリーとしては物足りない感じます。
 その一方で、部活メンバーと親しく関わり、魅力的な物語となっていました。


 PS2版「祭」の「澪尽し編」で、鉄平帰宅、リナ接触、詩音暴走、といった各編での障害を、とってつけたように解決する部分があります。バッドエンド直行のあまりにも稚拙な選択肢で、面白みがまったくありませんでした。
 このSSでも、各キャラごとの問題に直面しますが、その処理が非常に上手い。
 心を開く重要なエピソードになったり、その後の展開に深く関わったりします。
 最新話の沙都子関連の処理は絶妙だと思いました。露伴らしいというか、ジョジョらしいというか、荒木っぽい感じです。


 ちょっと残念なのは、圭一×魅音で確定されていること。原作では明確にどちらかとくっついていないため、できれば三角関係を楽しみたかったです。