デスノート


 もともと、この作品の結末は月が目的を達成するか破滅するかの2択しかなかったでしょう。少年誌ということも考えると、月が敗れる決着となるのは仕方のないことだと思います。
 月が醜態を晒したのは、物語的にも一応の見せ場とも言えるでしょう。


 気になったのがリュークの対応です。これはクライマックスなのだから、リュークの言動に齟齬があると特に目立ちます。
 一貫して「手を出さない」姿勢を保っていたはずのリュークが最初の言葉を覆す──これはマズいと思います。「死んだらノートに書く」なら、死ぬまで待つべきです。死神としての行動演出としてはありでも、リュークのキャラ造形上としてはなしであるべきです。これまで構築されたリューク像が崩壊して、無軌道な存在になりはてた気がして、非常にガッカリしました。


 次回のタイトルが「完」なのだから、さすがに終了でしょう。キラが出現する前の世界観に戻ってしまうと、これまでの事件全てが無駄になってしまいます。キラが存在した証として、「キラの不在で犯罪率が悪化した」というのが妥当な展開だと私は考えています。
 ニアは、「自分とメロが組めばLを越えられる」と言っていましたが、それはつまり、メロを失った以上、Lにはかなわないことになります。2部全体が盛り上がりに欠けたのも、そこにつきるのではないでしょうか? Lのキャラ造形が良すぎたことで、2部がどうしても見劣りしました。勝敗を分けたポイントも魅上の失敗であり、ニアの策が優れていたとは思えなかったですし。