月刊少年マガジン


先月をもって「旬〜味彩の匠〜」がマガジンGRAETへと移籍してしまい、楽しみが減ってしまいました。
料理マンガである以上、技術論を優先すべきで「食べる側の人情話」は避けるべきだと、私は考えている人間です。しかし、なぜか「旬」だと許せます。
ベタな展開だし、お涙ちょうだいなんですが、不思議と気になりません。
絵柄が野暮ったく、過剰な演出を避けている点が、受け入れられる要因ではないかと考えています。やりすぎでくどくするのではなく、雑味を取り除くことで本来の味が際だっているという感じです。


現在「capeta」連載中の曽田正人は、秋田書店小学館講談社と渡り歩き、長編作品はすでに4作目。私はどれも大好きです。
マンガという表現媒体に甘えず、現実的に”あり得そうな”レベルに存在する天才たち。彼らに及ばない一般人の面々が、客観的かつ常識的に対応するからこそ、主人公達の特異性が際だちます。
地に足がついたファンタジーとでもいいましょうか。現実とフィクションの境を半歩だけ踏み越えたような感覚が、一番の魅力だと思ってます。
さて、講談社マンガ賞も受賞したレースマンガ「capeta」がアニメ化することになりました。
一応喜ばしいことではあるのですが、曽田作品にはアニメ的な面白さがあるのでしょうか?
曽田作品には現実感の縛りがあり、だからこそ主人公の天才性が際だつものだと考えています。
それを思うと、アニメよりはドラマの方が媒体としてあっていると考えています。
……当然、アレは除外です。だって、アレは単に消防士のドラマであって、「め組」とも「大吾」とも無関係ですから。
願わくば、原作ファンを大増させるアニメとなりますように。