古畑ファイナル「今、蘇る死」を堪能した件


私は刑事コロンボが大好きです。
だから、「古畑」第1話が放映された時の嬉しさと言ったら!
翌週の放映までの間に、5回や6回は見返したものです。
ところが、その「古畑」シリーズのうち、この話だけを見逃してしまいました!
ネットで調べたら、古畑の最高傑作とまで賞賛されているんだから、悲しいやら、悔しいやら!


しかし、2年5ヶ月遅れでようやく見る事ができました。
いや〜、面白かった♪
一応の解決をみた後、完璧な計画に手を出しあぐねたものの、別な方法で切り込む展開は唸らされます。


屋敷を訪れた古畑が、「ここ本当に東京?」というセリフを発しましたが、ここで「おや?」と首をひねりました。
私は以前、警視庁とは「日本警察の頂点」のように考えていました。
この前フリから推測できる通り、警視庁とは警察内における上位組織という存在ではなく、あくまでも東京を管轄する地方(?)警察にしかすぎません。
言ってしまえば、埼玉県警などと同じような存在です。
つまり、古畑が担当させられた以上、事件現場は警視庁の管轄である東京都のはずです。



藤原竜也が演じたキャラにはなんの魅力も感じませんでした。
人を小馬鹿にするような笑い方をするし、軽薄そうなキャラだし、工場建て直し案も目新しさのないものでした。
私は藤原竜也に対して、特別な好悪の念を抱いていません。
なので、私がこのキャラに嫌悪感を感じたということは、藤原さんの演技力が優れていると言えるのではないでしょうか。


実行犯であり古畑と対決した藤原竜也ですが、それは真犯人誘導された結果です。
石坂浩二の動機は森の開発を止めるというあまりに聖人君子っぷりに、古畑の世界観から浮いているように感じました。
石坂さんは元教え子を犯人に仕立て上げ、事故死に見せかけて殺したぐらい冷酷ですから。
しかしラストにおいて、石坂さんは15年前に殺人を犯しており、開発に反対してた理由も埋めた死体が発見されるのを怖れたためだと明かされます。
(一番最初の殺人動機は森を守るためだったわけですが、利己的な理由が存在した方が納得しやすいと思う)
これによって、石坂さんのキャラが現実味を帯び、存在感が増したように思います。


番組後の宣伝によると、今週末に「古畑中学生」をやるそうで、非常に楽しみではあるんですが、主役がジャニーズって……。



ちょっと、ネタバレ
前述した通り、私は刑事コロンボが好きなんですが、この話と似たような展開をコロンボでもやっています。


「さらば提督」
社長の死亡時刻を変えようとして細工していた人物が中盤で死亡する。
彼は自分の妻が犯人だと勘違いして、財産分与を目的としてアリバイ工作をしていたことが判明。
真犯人は一番最後に明かされる。
――これは、別な真犯人がいる設定です。


「ハッサンサラーの反逆」
犯人はアラブ系の外交官。
コロンボが犯行をすべて暴いたものの、外交官特権により逮捕権がないとたかをくくっていた犯人は、自慢気にコロンボの推理を褒めちぎる。
しかし、自国へ送り出したはずの国王は、コロンボの説得を受けて、隣室に控えて全ての話を聞いていた。
自国の裁判では死刑になってしまう犯人は、外交官特権を「自ら破棄」して、アメリカの裁判を受けることを申し出る。
――これは、直接逮捕できない相手を、別な手段で追い詰める結末です。