CS版「Fate」感想(完結)


ようやく、ゲーム終了の運びとなりました。
端的な表現をすると合格点以上だったと思います。PC版の経験者にとって、驚きこそ少ないもののプラス要素のある作品に仕上がっていました。少なくとも、PC版未プレイの方には自信を持って勧められる作品と言えるでしょう。
同時期に発売されたノベルゲームとして「ひぐらしのなく頃に祭」がありましたが、あちらはCS版での変更点がのきなみ減点対象で、あえてPC版を勧めるファンも多いのではないでしょうか。「Fate」と好対照だと思います(笑)。


今回、竹内崇と奈須きのこを比較した場合、竹内先生の方が働いているものと推測します。
追加CGは多数用意されていましたが、私としては「斧剣を構えた士郎」がベストだと思いました。
新規シナリオについては残念の一言につきます。追加といえるのはHシーンの改変部分と、ラストエピソード「レアルタ・ヌア」だけのようです。
スパークスライナーハイのような短い分岐の追加を複数追加してもらえれば嬉しかったのですが、ラストエピソードがあの短さでは、物足りなさしか感じません。


音声については、アニメ化を挟んでいることもあり、いまさら違和感を感じることはありませんでした。
ただ、下記の3キャラについては記述してみます。
1)藤ねぇ
声優の伊藤美紀は「ひぐらし」でも電波系(?)の鷹野を演じていましたが、藤ねぇのハッチャけぶりの方が向いていると感じました。タイガー道場はずいぶんと楽しいデキでした。
2)ライダー
アニメでは敵としての役回りだったため、特別意識していなかったのですが、桜ルートでのセリフを聞くと非常にあっていると思います。あたりの柔らかいセリフが魅力的に感じました。
3)ハサン
新登場となったハサンですが、シブくて驚きました。もっと無機質な声を想像していたので違和感がありましたが、声高に反対するほどでもないでしょう。ハサンだし。


補足。
取説に掲載していたので、凛と桜の身体的な特徴をはじめてじっくり比較してみました。
凛:159/47/77/57/80
桜:156/46/85/56/87
身長については保留するとしても、その他のスペックがすべて桜優位となっています。体重まで軽いのだから、そりゃあ、凛も羨むことでしょう(笑)。


以下ネタバレ




5つのエンディングクリア後、原作ではトップ画面が桜となっていたはずなのに、今回では「無限の剣製」風となりました。妙に思っていると、ラストエピソード後にさらに変更となりました。


「レアルタ・ヌア」については短すぎです。
端的に表現すれば、セイバーと士郎が再会しただけ。
セイバールートのダイジェストは今更不要ですし、抽象的な表現ばかりで、いつ、どこで、というのも明言していないため、現実感に欠けます。いまさら、夢ということもないでしょうが……。
別れのシーンの切なさと比較すると、再会に関する喜びは無いに等しいものでした。残念。
私の感覚で言えば、帰ってきたのは時間を超えてきたセイバーの方なので、「おかえり」のセリフは士郎の方がふさわしく感じました。待っていたのはセイバーかもしれませんが、士郎が「帰った」とは思えないので。