Fate/zero2巻でお楽しみの件


 届いていたFate/zeroをようやく読了。
 またしても、読むためのテンションがあがらず遅れることとなりました。今更ですが感想など。


 バトルロイヤルものとして、7チームが相互に戦うのは当然です。少年マンガで多発するように、主役チームだけが他の6チーム全てと戦うなんて、通常ならばありえません。
 ところが、zeroについてはまったく逆の印象を持ちました。zeroでは7チームを等分に扱おうとしているためか、それぞれの行動を追いすぎて全体の流れが阻害されています。単一の主役視点で進めてもらう方が、物語にのめり込めて良かったのではないでしょうか?


一応ネタバレ注意






 相変わらずの外道っぷりを発揮するキャスター組。完全にお客さんである雨生は論外としても、キャスターの狂気(と呼べば格好いいものの、所詮は勘違い)にはやや呆れ気味です。このさくっと退場してもらいのですが、今回で生き残った以上は、この先もしぶとく居残ることでしょう。


 ケイネスの傲慢ぶりはイラつくだけなので、彼がどうなろうとまったくかまいません。というか、もっと酷い目にあってもかまいません。というか……、酷い目に遭いそうですね、このままいけば(笑)。
 笑ってられないのがランサーの方。ディルムッドの望みは主への忠誠を果たすこと――非常にシンプルな願いのはずが、今回のランサーも願いが叶いそうもありません。
 新登場となったケイネスの婚約者ソラウはキャラとして必要なのでしょうか? このキャラは全く別な方向性で望みを持っており、聖杯戦争の盛り上げ的にはマイナス要因に感じました。


 切嗣の魔術にはがっかりしてます。士郎が「魔術使い」とすると、切嗣は「魔術道具使い」? 自分の起源を使ってはいるものの、この銃弾を持ち出せば誰にでも使えるわけで……。切嗣本人の魔術師としての実力がまったく見えてきませんでした。下賤な方法をとると切嗣を蔑んでいるケイネスを見返すためにも、魔術師としての実力を見せつけてもらいたかったのですが。
 切嗣を強者として位置づけているために、舞弥の役回りはあくまでもやられ役。
 独走している切嗣を心配しているアイリスフィールの方が共感しやすく、頑張ってもらいたいと思います。
 セイバーは……いらない子のように思えます。切嗣ではありませんが、ランサーを見送った場面で私も唖然となりました。


 言峰はそれなりに活躍しましたね。戦ったのが舞弥なので敵に恵まれたというべきでしょうか?
 集団で登場したアサシンはひょっとして最強なのではないでしょうか? マスターあいてに一人一殺を実行すれば確実です。特に、1度目に失敗してもそれによって油断も誘え、2度目の襲撃まで可能です。現に情報収集は完璧にこなしているくらいで、これならば襲撃だって可能でしょう。


 時臣の「優雅たるボケ」っぷり――zeroにおいて、彼こそが最大の道化というべきでしょう。「余裕を持って優雅に振る舞う」というのは、逆に言えば必死さに非常に欠けるわけです。それでいて、「言峰のだまし討ち」という敗北が確定されています。すでにギルガメッシュからは見限られつつあり、彼の驚愕や狼狽が楽しみです。
 ギルガメッシュは相変わらずというべきでしょう。


 バーサーカーは出番なし。
 雁夜本人を好きなわけではありませんが、大切な人のために命がけで戦いを挑む彼と、インチキを仕込み余裕かまいしている時臣を比べた場合、どちらを応援するかと聞かれたならば、答えは一つしかありません。


 地味な作業を行うウェイバーがいい感じ。女に挑発されて慎重さに欠ける行動の果てに脱落した誰かさんよりも、遙かに立派だと思います。「よく頑張りました」
 今回もライダーは大活躍。彼の存在がなければ、zeroの魅力は半減することでしょう。MVP間違いなし! 行動といい、実力といい、個性といい、彼の存在なくして、zeroは語れません。
 単純に、ライダー組を主役として構成してもらいたいものです。